イーサリアム保有企業のシャープリンクが15億ドルの自社株買い戻し計画を公開。ETHの今後を見据えた戦略的な動きとして注目される。
イーサリアム(ETH)を大量に保有するシャープリンク・ゲーミングは22日、取締役会が最大15億ドルの自社株買い戻しプログラムを承認したことを明らかにした。
ミネソタ州ミネアポリスに本社を置くシャープリンクは、イーサリアムの普及を推進する企業として知られる。
ビットコイン(BTC)に焦点を当てたストラテジー社と同様の企業財務モデルをイーサリアムで展開している。
オンチェーンデータによると、同社は約74万800ETHを保有している。
NEW: SharpLink’s board of directors authorizes $1.5B stock buyback programhttps://t.co/ANtveVdIMD
— SharpLink (SBET) (@SharpLinkGaming) August 22, 2025
株式買い戻しの戦略的背景
今回のプログラムは、デジタル資産関連の上場企業が発表したものとしては過去最大級の株式買い戻しであり、経営陣による重要な資本配分決定を示すものだ。
同社はイーサリアムを蓄積・保有し、その普及を促進することを事業戦略の中核に据えている。
今回の買い戻しプログラムの主な戦略的根拠は、1株当たりのETH保有比率を維持・向上させることにある。
シャープリンクのジョセフ・チャロム共同最高経営責任者によると、株価が保有ETHの純資産価値の1.06倍を下回る場合、新株発行は1株当たりのETH価値を希薄化させる。
このため、同社は慎重な対応を迫られることになる。
このような状況下で自社株を買い戻すことは、残りの株主にとっての価値提案を強化する、1株あたり利益を増加させる行動となる。
このNAV指標は、同社株がその原資産であるイーサリアムの価値に対して大幅なディスカウントで取引されていることを示している。
価値向上のための買い戻しに絶好の機会を生み出している。
このプログラムのタイミングは、イーサリアムを企業財務として保有する企業が、その保有資産価値に対して評価圧力を受けている市場環境と戦略的に一致している。
暗号資産(仮想通貨)市場のボラティリティは、自社の株主価値を最大化するチャンスを生み出す。
このような変動は、戦略的な買い戻しプログラムを実行し、バランスシートを強化する絶好の機会を断続的に提供する。
イーサリアムの今後とシャープリンクの戦略
この株式買い戻しプログラムは、市場へのサポートを強化し、資本配分を最適化する。
持続可能な株主価値の創造に対するシャープリンクの長期的なコミットメントを強化するために設計されている。
買い戻しは、公開市場での購入、交渉による相対取引、または適用される証券法で許可されたその他の手段を通じて実行される。
買い戻しの具体的な時期や金額は、市場の状況、株価、取引量、一般的な経済状況など、複数の要因に基づいて決定される。
なお、同社は特定の株式数を購入する義務を負っておらず、プログラムは事前の通知なしに中断または中止される。
シャープリンクは規律ある資本市場戦略を強調しており、今回のプログラムは好機が訪れた際に迅速に行動するための柔軟性を提供する。
この承認は、イーサリアムの長期的な価値と、デジタル資産エコシステム内での同社の戦略的地位に対する経営陣の自信を反映している。
シャープリンクは、イーサリアムの企業財務保有者として世界で2番目の規模にランク付けされている。
この専門的な戦略は、同社を含むごく一部の機関投資家によって採用されている。
このような動きは、イーサリアムのようなプロジェクトが基盤とするブロックチェーン技術への信頼の表れとも言える。
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