ソニーFGは、米ドル建てステーブルコイン発行に向け、米国に信託子会社を設立すると発表した。
ソニーフィナンシャルグループは6日、子会社のソニー銀行を通じて米国に信託子会社を設立すると発表した。
米ドル建てステーブルコイン発行に向けた布石
ソニー銀行が全額出資する新たな信託子会社は、2026年7月中の設立を予定している。主な目的は、米国における米ドル建てステーブルコインの発行および管理事業を展開することだ。
同社はすでに米通貨監督庁(OCC)に対して設立申請を行っており、審査プロセスの一環として条件付き承認を取得している。
米国連邦レベルの監督下にある信託会社を通じて事業を行うことで、規制に準拠した強固な枠組みを構築する狙いがある。
連邦レベルの厳しい監督下で事業を展開することは、規制遵守の観点だけでなく、ユーザーや市場からの信頼獲得にも直結する重要な要素だ。
ただし、OCCの最終承認や関連当局からの必要な許可をすべて取得するまでは、ステーブルコインの発行や関連事業は一切開始しない方針を明確にしている。
仮想通貨市場に対する規制当局の監視が強まる中、リスクを適切に管理しながら段階的に事業を進める慎重な姿勢がうかがえる。まずは事業開始に向けた構造的および規制上の準備を整えることに注力する構えだ。
その際、ビットコインをはじめとする暗号資産市場全体の動向も注視していくとみられる。ステーブルコインの発行は、2027年を目指している。
デジタルアセット事業の基盤構築へ
今回の新会社設立は、ソニーフィナンシャルグループ全体における中長期的な暗号資産(仮想通貨)事業の基盤構築を目的としている。
単なる一時的なプロダクトの提供にとどまらず、デジタル金融市場に本格的に参入し、その形成に関与していく戦略的な意図が見て取れる。将来的にはイーサリアムなどの技術を活用した展開も期待される。
ソニー銀行は2025年12月、米国のデジタル資産企業であるバスティオン・プラットフォームズと業務提携を結んでいた。
この提携を足がかりとして、米国での米ドル建てステーブルコイン事業の商業化に向けた共同研究をこれまで進めてきた。
今回の決定は、事前の検討段階から一歩進み、米国市場における正式な企業体制と規制インフラの整備へと移行したことを意味する。
過去の報道によると、将来的に発行されるステーブルコインは、ゲームやアニメといったソニー独自のデジタルコンテンツ経済圏での決済利用が見込まれている。
なお、2027年3月期の連結業績に与える影響は軽微であるとグループは説明している。短期的な収益拡大を急ぐのではなく、将来のデジタル金融市場を見据えた長期的なインフラ整備として位置づけているようだ。
日本の大手企業が米国でステーブルコイン事業に本格参入する事例として、今後の展開に大きな注目が集まる。
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