ステーブルコインの時価総額が史上初めて3000億ドルを突破した。米国の規制明確化が市場拡大を後押ししている。
DeFiデータ分析サイトDeFiLlamaは3日、ステーブルコインの市場全体の時価総額が史上初めて3000億ドルを突破したと報告した。
年初来で47%拡大し、米国のマネーサプライ総額の約1.3%に達する規模となった。
この急成長の背景には、2025年7月にトランプ米大統領が署名し成立したGENIUSステーブルコイン法による規制の明確化がある。
規制明確化が市場拡大を後押し
成長の主な要因は、2025年7月18日にトランプ米大統領が署名し成立したGENIUSステーブルコイン法による規制の明確化とみられる。
この法律はステーブルコインの法的な枠組みを定めた米国初の包括的な規制となった。
同法は、ステーブルコイン発行者に対し、発行量と同額の米ドルまたは短期国債などの流動性の高い資産による100%の準備金保有を義務付けている。
同法の制定以来、ステーブルコイン分野の時価総額は19%増加した。
特に、この規制変更の恩恵を大きく受けたのがサークル社とそのUSDCだ。
2025年初頭からUSDCの市場シェアが増加したのに対し、USDTのシェアは同期間に減少傾向を示している。
この変化は、米国に拠点を置く公開企業であり、新規則に準拠したステーブルコインを発行するサークル社の優位性を反映している。
ブロックチェーンごとの動向と今後の展望
ブロックチェーン別の流通量を見ると、イーサリアム(ETH)が約1710億ドルで全体の57%を占め、次いでトロン(TRX)が約770億ドルで26%となっている。
イーサリアム上のステーブルコインは年初来で約44%増加したのに対し、ソラナベースのステーブルコインは48億ドルから137億ドルへと約70%急増した。
分散型取引所(DEX)での24時間取引高は118億ドルに達した。
DeFiにロックされた総価値(TVL)も1406億ドルに達しており、ステーブルコインとDeFiの強い結びつきを示している。
ステーブルコイン市場の成長率は、将来性が高いビットコイン(BTC)含む暗号資産(仮想通貨)市場全体の成長率を上回っている。
年初来でアルトコイン市場全体が21%成長したのに対し、ステーブルコイン市場は47%と2倍以上のペースで拡大した。
専門家の中には、この成長がさらに加速すると予測する声もある。
EarnOSのフィル・ジョージ創設者は、供給量が今後1年でさらに倍増し6000億ドルに達する可能性があると述べている。
CMT Digitalのアリアン・シェイカリアンリサーチ責任者は、5000億ドルが主流統合の指標となり、2030年代末までに1兆ドルに達する可能性があると予測した。
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