ストラテジーは、ビットコイン追加購入のため、42億ドル(約6130億円)規模の新たな優先株発行プログラムを明かした。
ストラテジー社は7日、ビットコインの追加取得を目的として、42億ドル(約6130億円)規模の新たな株式発行プログラムを開始した。
同社は10%配当の永久優先株STRDを段階的に売却するAt-The-Market手法を採用し、調達資金をビットコイン(BTC)購入と一般的な企業活動に充てる。
この発表により、世界最大のビットコイン保有企業としての戦略をさらに拡大する姿勢を明確にした。
好調な業績と積極的な購入戦略
ストラテジーは2025年第2四半期に68億ドルを様々な資本市場活動で調達し、ビットコイン取得に充てた。
6月30日時点で同社の暗号資産(仮想通貨)保有高は597325BTCに達し、評価額は約650億ドルとなっている。
同社のマイケル・セイラー執行会長は、STRDを同社のビットコインエンジンの第4のギアと表現し、利回り重視の投資家をターゲットにしている。
ビットコイン価格が10万8000ドル台で推移する中、同社株は年初来で35%以上上昇している。
機関投資家によるビットコイン採用が加速する中、ストラテジーは先駆者としての地位を確固たるものにしている。
日本のメタプラネット社や、ドイツ銀行のカストディ計画など、世界各地で企業のビットコイン採用が拡大している。
ATMプログラムの仕組みとリスク管理
今回のSTRD優先株は10%の配当利回りを提供するが、配当は非累積型で保証されていない。
取締役会が四半期配当を宣言しない場合、未払い配当は蓄積されない仕組みとなっている。
これにより同社は財務の柔軟性を確保している。
ATMプログラムでは、市場価格や取引量を考慮して段階的に株式を売却するため、大規模な希薄化による株価への急激な圧力を回避できる。
同社は現在、MSTR普通株で181億ドル、STRK優先株で205億ドル、STRF優先株で19億ドルの発行余力を保持している。
ストラテジーは透明性確保のため、ビットコイン保有量やその他重要指標をリアルタイムで公開するダッシュボードを提供している。
同社の戦略は株式発行で資本を調達し、ビットコインに投資する循環モデルに基づいており、新しい仮想通貨に特化した企業としてのアイデンティティを形成している。
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