ステーブルコイン大手テザー、米デジタル資産銀行に1億ドル出資

ステーブルコイン大手テザーの投資部門は、米アンカレッジ・デジタルへ約157億円を出資した。米国規制に準拠した事業拡大を目指す。

宇城 良 By 宇城 良 倉元 大智 Editor 倉元 大智 Updated 1 min read
ステーブルコイン大手テザー、米デジタル資産銀行に1億ドル出資

Key Notes

  • テザーの投資部門が米アンカレッジ・デジタルに約157億円を出資し、関係を強化した.
  • アンカレッジは米国初の連邦公認デジタル資産銀行であり、新ステーブルコイン「USA₮」の発行体だ.
  • 今回の出資によりアンカレッジの企業評価額は約6594億円に達し、IPOも視野に入れている.

ステーブルコイン最大手テザーの独立投資部門であるテザー・インベストメンツは5日、米国のデジタル資産銀行アンカレッジ・デジタルに対し、1億ドルの出資を実施したと公表した。

今回の出資は、両社が既に構築している協力関係をさらに拡大するもので、暗号資産(仮想通貨)の普及に向けた安全で規制に準拠したインフラ整備に注力する姿勢を示すものとみられる。

また、出資によりアンカレッジ・デジタルの企業評価額は42億ドルに達した。

アンカレッジ・デジタルは、機関投資家向けのカストディ(管理)、ステーキング、決済サービスを提供しており、米国連邦政府の認可を受けた唯一のデジタル資産銀行としての地位を確立している。

テザー社は、同社がデジタル資産を既存の金融システムへ統合する上で不可欠な役割を果たしていると評価しており、今回の資金提供はその信頼をより強固にするものだ。

米国市場への再アプローチと新たなステーブルコイン

今回の提携強化は、テザー社にとって米国市場における戦略的な転換点となる。

同社はかつて米国の規制当局と対立し、4100万ドルの和解金を支払って同国での活動を縮小した経緯がある。

しかし今回は、連邦公認銀行であるアンカレッジと密接に連携することで、透明性と規制順守を前面に打ち出したインフラ構築へと舵を切った。

その象徴となるのが、新たなステーブルコイン「USA₮」だ。

これは新たな規制枠組みであるGENIUS法の下で設計されており、アンカレッジがその発行および管理を担う。

規制された機関が監督することで、テザー社は確立された法的環境内でのデジタル資産技術の有用性を実証しようとしている。

これは、従来の銀行パートナーシップに依存せず米国市場への参入を試みた過去のアプローチとは対照的であり、規制当局との協調路線を明確にした動きと言える。

IPOも視野に、強まる連携と今後の展望

テザー社のパオロ・アルドイノCEOは声明の中で、現状を打破し自由のための世界的なインフラを構築するという同社の使命を強調している。

「アンカレッジへの出資は、安全で透明性の高い金融システムへの共通の信念を反映したものだ」と述べ、同社が機関投資家向けインフラの強力な基準を打ち立てたと称賛した。

これに対し、アンカレッジのネイサン・マコーリーCEOも、テザーからの支援は長年構築してきたインフラに対する強力な検証であると応じている。

また、今回の発表に合わせてアンカレッジは従業員向けの株式公開買い付けを実施し、初期メンバーへの利益還元の機会を設けた。

さらに報道によれば、同社は将来的な米国での新規株式公開(IPO)も視野に入れており、最大で4億ドル規模の調達を目指しているという。

連邦公認銀行としての地位を固めつつある同社が上場を果たせば、仮想通貨関連の有力銘柄として市場から大きな注目を集めることになりそうだ。

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宇城 良
Coinspeakerライター 宇城 良

仮想通貨ライター。取引歴5年、ブロックチェーン技術の解説から市場分析、DeFi・NFTの最新動向までカバーします。複雑なトピックを分かりやすく解説し、皆様の的確な意思決定をサポートします。

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