TON財団がトンコイン保有の上場企業設立へ。PIPE取引で4億ドルを調達し、暗号資産の機関投資家向け普及を加速させる計画。
TON財団とキングスウェイ・キャピタル・パートナーズは24日、トンコイン(TON)を保有する財務会社設立に向け、少なくとも4億ドルの資金調達を計画している。
テレグラムメッセージアプリと密接に関連するトンコインを主要資産とする上場企業を目指すもの。
機関投資家の暗号資産(仮想通貨)アクセス拡大が狙いとなる。
PIPE構造で資金調達、キングスウェイが主要投資家に
計画中の財務会社は、PIPE(私募増資)と呼ばれる仕組みを採用する予定だ。
この手法では、既存の上場企業が選定された投資家グループに株式を売却する形で資金を調達する。
関係者によると、キングスウェイ・キャピタルが主要投資家の一社となる見込みだ。
調達資金は全額トンコイン購入に充当される計画で、コーエン・アンド・カンパニーが財務会社設立の銀行業務を担当すると伝えられている。
また、キャンター・フィッツジェラルドもトンコイン保有企業の設立に関心を示しているとの報告もある。
仮想通貨財務会社トレンドの一環
この動きは、ストラテジーの成功に触発された新しい仮想通貨による財務会社の一環と位置づけられる。
同社のビットコイン(BTC)保有戦略により、株価は過去5年間で3400%以上上昇している。
トンコインは現在、時価総額約80億ドルでアルトコインランキングで27位に位置している。
テレグラムの共同創設者により開発されたが、現在はメッセージアプリ部門とは独立して運営されている。
今年に入り、ビットコインを筆頭とする仮想通貨財務会社が急拡大している。
イーサリアム財務会社では、シャープリンク・ゲーミングやビットマインなどがビットコイン保有企業に追随している。
実現への課題とUAE構想の教訓
現時点で、ストッツ氏、キングスウェイ、TON財団のいずれも正式発表を行っておらず、計画の詳細は非公開のままだ。
関係者は匿名を条件に情報提供している。
TON財団は過去に、UAEゴールデンビザ構想を発表したが、政府の正式合意を得ていない早期発表として批判を受けた経緯がある。
同構想では、10万ドル相当のトンコインを3年間ステーキングする投資家に10年間の居住ビザを提供するとしていたが、UAE政府が発表を否定し撤回された。
今回の財務会社設立計画が実現すれば、トンコインを主要資産とする初の本格的な上場企業になる。
機関投資家のデジタル資産への体系的アクセス提供に寄与することが期待される。
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