アラブ首長国連邦(UAE)がマイニング事業を通じてビットコインを蓄積。世界第4位の政府系保有国となり、独自のデジタル資産戦略を推進している。
オンチェーン分析企業アーカムは25日、アラブ首長国連邦(UAE)政府が国営マイニング会社を通じて約6,300ビットコイン(BTC)を保有していることを明らかにした。
BREAKING: THE UNITED ARAB EMIRATES IS NOW ON ARKHAM
The UAE’s $700M BTC holdings are now labeled on Arkham. These holdings come from Bitcoin mining operations carried out by Citadel, a public mining company majority owned by UAE Royal Group through IHC.
Arkham is the first to… pic.twitter.com/eIGut5pJXN
— Arkham (@arkham) August 25, 2025
これにより、UAEは米国、中国、英国に次ぎ、政府によるビットコイン保有量で世界第4位に浮上。
他の主要国が主に犯罪捜査で押収したビットコインを保有しているのとは異なり、UAEの保有分はすべてマイニング事業で生成されたもので、新たなモデルを示している。
マイニングを国家戦略に組み込むUAE
UAE政府の暗号資産(仮想通貨)戦略の中心には、王室が実質的に所有するシタデル・マイニング社がある。
同社はこれまでに約9,300BTCを採掘し、そのうち約3分の2にあたる6,300BTCを長期保有している。
この事業が成功している背景には、同国の豊富なエネルギー資源がある。エネルギー集約型のマイニングにおいて、低コストで運営できることは大きな強みだ。
さらに、ドバイやアブダビといった金融ハブが、イノベーションと規制のバランスを取りながら、明確なライセンス要件を定めていることも、戦略を後押ししている。
ビットコイン備蓄の新たな潮流
UAE政府のビットコイン戦略は、石油への依存から経済を多角化するという長期的な国家ビジョンと深く結びついている。
市場で購入するのではなく、マイニングインフラを活用して国家のデジタル資産準備を構築するこのアプローチは、ビットコインの将来に新たな潮流を生む可能性がある。
最近の分析では、2024年のビットコイン半減期以降も、UAEのマイニング事業はファウンドリー・デジタルなどのマイニングプールを通じて、1日あたり約2BTCの報酬を安定して獲得していることが判明した。
これらの報酬がシタデル・マイニング社関連のウォレットに直接送金されていることから、事業規模の大きさがうかがえる。
世界的に見ると、2025年半ば時点で約12の政府機関が合計約52万7,000BTC保有している。
その中で、UAEのマイニングを主体とした備蓄方法は、他の資源豊富な国々にも影響を与えるかもしれない。
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