UAEのイスラム銀行ルヤがフューズと提携し、国内初のシャリア準拠ビットコイン取引を開始。UAEの仮想通貨市場は活況を呈する。
アラブ首長国連邦(UAE)のデジタルイスラム銀行ルヤは8日、モバイルアプリを通じたビットコイン(BTC)の売買機能を開始した。
シャリア(イスラム法)に準拠した銀行がBTCの直接取引を提供するのは世界初となる。
同サービスはUAEで認可を受けたデジタル資産インフラ企業フューズとの提携により実現。
投機的取引ではなく、長期的な資産形成を目的とした設計となっている。
シャリア準拠のBTC投資を実現
ルヤのクリストフ・コスターCEOは「当行を通じた将来性が高いBTCへの投資は全てシャリアに準拠しており、顧客に信頼と明確性を提供する」と述べた。
イスラム金融では、利子や過度な不確実性、投機的行為が禁止されている。
ルヤはシャリア監督委員会の監視の下、これらの禁止事項を回避する形でサービスを構築した。
フューズのモー・アリ・ユスフCEOは「デジタル資産とシャリア準拠銀行業務の専門知識を組み合わせ、倫理的な基盤を持つプラットフォームを構築した」とコメント。
同サービスには競争力のある手数料設定に加え、アプリ内でのガイダンスやウェビナーなどの教育リソースも含まれる。
UAEへの仮想通貨流入は42%増
ブロックチェーンの分析企業チェイナリシスのデータによると、2023年7月から2024年6月にかけてUAEへの暗号資産(仮想通貨)流入額は300億ドルを超えた。
前年同期比42%増で、地域平均の11.7%を大きく上回る伸びを記録している。
UAEでは証券商品局(SCA)やドバイ仮想資産規制局(VARA)による規制整備が進み、金融機関の参入が加速。
マシュレク・キャピタルは現物ビットコインETFを含む投資信託「BITMAC」を立ち上げ。
RAKバンクやリブ・バンクも外部取引所との提携を通じて仮想通貨サービスを展開している。
ルヤは2024年にUAE中央銀行から専門銀行としての認可を取得。
アジュマンに本社を置き、デジタルファーストのイスラム銀行として事業を展開している。
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