ヴァーブ・テクノロジーが5億5800万ドルの私募を発表。TONを準備資産とする上場企業TON Strategy Co.へ変更。
米ナスダック上場のヴァーブ・テクノロジーは4日、5億5800万ドルの私募により、世界初のトンコイン(TON)を準備資産とする上場企業への転換を実現した。
同社はTONストラテジーに社名変更し、The Open Networkブロックチェーンのネイティブ通貨、トンコインの大規模保有を通じた新たなビジネスモデルを構築する。
今回の調達はキングスウェイ・キャピタルが主導し、110以上の機関投資家や暗号資産(仮想通貨)投資家が参加した。
取引は8月7日頃に完了予定で、株式は引き続きナスダック市場でティッカーシンボルVERBとして取引される。
世界最大級のTON保有企業誕生
新会社となるTONストラテジーは、調達資金の大部分を大手アルトコインであるトンコインの取得に充当し、世界最大級のTON保有企業として地位を確立する予定だ。
同社は流通供給量の約5%に相当するTONを保有し、ステーキング報酬を通じた持続的な収益創出を目指す。
今回の私募では、バイ・キャピタル、ブロックチェーン・ドット・コム、リビット・キャピタル、グラティキュール(GAMA)といった著名投資家が参加した。
投資家に対し1株あたり9.51ドルで約5870万株の普通株式を発行する。
新会社の経営陣には、TON財団のマヌエル・ストッツプレジデントが執行会長として就任する。
資産の保管やウォレットインフラについては、ブロックチェーン・ドット・コムと戦略的パートナーシップを締結し、安全性と拡張性を確保する体制を整えた。
テレグラムとの連携が推進力
TONブロックチェーンは、月間アクティブユーザー10億人以上を抱えるメッセージングアプリ、テレグラムとの独占的パートナーシップを有している。
この強固な基盤により、分散型アプリケーションの大規模な普及が期待されている。
同社の戦略の中核は、トンコインのステーキングによって得られる報酬を活用した永久資本ビークルとしての地位確立にある。
これにより受動的な収益を生み出し、長期的に仮想通貨投資の量を増やしていく計画だ。
このモデルは利回りを求める機関投資家にとって魅力的な選択肢となる可能性がある。
TONストラテジーは、機関投資家が規制された市場を通じてTONエコシステムへアクセスするためのゲートウェイとしての役割も担う。
同社は透明性、コンプライアンス、保有資産の検証を重視し、今後数週間でTON取得、資産成長、ガバナンス施策に関する追加情報を提供予定としている。
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