ヴィタリック・ブテリン氏が、ステーキング解除における45日間の待機期間を擁護。
イーサリアム(ETH)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は18日、同ネットワークのステーキング解除における45日間の待機期間を擁護する考えを示した。
これは、ソラナなどの競合チェーンと比較して期間が長いとして、機関投資家から批判を受けていたものだ。
ブテリン氏はこの待機期間が意図的なセキュリティ機能であると主張し、欠陥ではないと述べた。
It's more like a soldier deciding to quit the army.
Staking is about taking on a solemn duty to defend the chain. Friction in quitting is part of the deal. An army cannot hold together if any percent of it can suddenly leave at any time.
That's not to say that the current…
— vitalik.eth (@VitalikButerin) September 17, 2025
「兵士の離脱」に例え安全性を強調
ブテリン氏は、ステーキングを解除するバリデーターを「軍隊を辞める兵士」に例え、ネットワークの安定性のためには摩擦が不可欠であると強調した。
同氏は、「いつでも好きな割合で兵士が突然離脱できるなら、軍隊は成り立たない」と述べ、バリデーターの急な大量離脱がコンセンサスを不安定にする可能性を指摘した。
この設計は「バリデーターチャーンバッファ」として機能する。ネットワークは1エポック(約6.4分)あたり256ETH相当の出金しか処理せず、突然の大量引き出しを防いでいる。
現在のネットワーク指標はイーサリアムの回復力を証明しており、総供給量の約30%にあたる3,560万ETHが100万以上のバリデーターによってステークされている。これは暗号資産(仮想通貨)投資家の信頼が続いていることを示唆している。
セキュリティと流動性のトレードオフ
この議論の中心にあるのは、セキュリティと流動性のトレードオフだ。
ブテリン氏は45日間という期間が「最適ではない」と認めつつも、安易に短縮すれば「信頼性を弱め、悪意ある攻撃者が一時的にバリデーターセットを操作する」危険があると警告した。
しかし、イーサリアムは分散型金融(DeFi)において420億ドル(約6兆1,740億円)の預かり資産(TVL)を誇り、その優位性を保っている。
イーサリアム財団の研究者は、この待機期間が「長期的なセキュリティモデルに組み込まれている」として、プロトコルの変更予定はないと明言した。
利用者は、イーサリアムの「回復力の高さ」と、流動性を優先する他の選択肢との間で計算された選択を迫られることになるだろう。
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