ボラティリティ・シェアーズ、5倍レバレッジのBTC ETFを申請

On 10月 16, 2025 at 4:11 pm UTC by · 1 min read

ETF運用会社ボラティリティ・シェアーズが、BTCやETHの価格に5倍連動するレバレッジ型ETFの設立をSECに申請。

ETF運用会社ボラティリティ・シェアーズは14日、暗号資産(仮想通貨)の日次パフォーマンスに5倍連動するレバレッジ型ETF設立を米国証券取引委員会(SEC)に申請した。

対象はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、リップル(XRP)の4銘柄。

申請書類には3倍および5倍のレバレッジ型ETF計27商品が含まれ、テスラやエヌビディア、コインベース、ストラテジーといったボラティリティの高い株式も対象となっている。

2025年12月29日を発効日としてCBOE BZX取引所への上場を目指す。

日次リバランスが生む複雑なリスク構造

5倍レバレッジETFは先物やスワップ、オプションといったデリバティブを活用し、原資産の日次パフォーマンスの5倍に相当するリターンを目指す設計となっている。

ビットコインが1日で2%上昇すれば10%の利益となるが、2%下落すれば10%の損失を被る計算だ。

この仕組みは毎日リセットされるため、価格が乱高下する相場では複利効果により週単位のリターンが単純な5倍にはならない。

これはボラティリティ減衰と呼ばれる現象で、価格が上下動を繰り返すと日次リバランスによって理論上の利益が目減りする。

ビットコインの直近の実現ボラティリティは40%近く、将来性が高いソラナは先週87%に達した。

このような高ボラティリティ環境では、ビットコインが10%下落すると5倍ETFは50%の損失となり、短期間で元本を大きく毀損するリスクがある。

規制当局の慎重姿勢と承認への長い道のり

SECはこれまでレバレッジ型仮想通貨商品に極めて慎重な姿勢を維持している。

規則18f-4の下でデリバティブを使用するレバレッジファンドにはバリュー・アット・リスク(VaR)の推定が求められ、過度な損失を制限する枠組みが設けられている。

申請の背景には、ビットコイン価格が11万ドルを超える水準で推移する中で、より積極的なリターンを求める投資家の需要増加がある。

ボラティリティ・シェアーズは、これらの商品を市場の勢いが強い局面でエクスポージャーを増やしたいトレーダー向けと位置付けている。

しかし規制当局の承認は早くても2026年以降となる見通しだ。

経費率は未定だが、複雑な運用手法から通常のビットコインETFより高額になると予想される。

承認されれば世界初の5倍レバレッジ仮想通貨ETFとなり、今後の商品開発や規制のあり方に大きな影響を与える前例となる。

Share:
Exit mobile version