仮想通貨企業バックト、10億ドル調達枠申請でBTC購入検討か

バックトがSECに最大10億ドルの資金調達を可能にする目論見書を提出。調達資金はビットコインなど仮想通貨への配分に充てる。

赤松 柊弥 By 赤松 柊弥 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
仮想通貨企業バックト、10億ドル調達枠申請でBTC購入検討か

Key Notes

  • バックトはSECに最大10億ドルの資金調達を可能にするS-3フォームを提出.
  • 調達資金はビットコイン購入に充てられる可能性がある.
  • 今回の申請は財務基盤の安定化と戦略的柔軟性の確保を目的としている.

仮想通貨関連ソフトウェア企業バックト・ホールディングスは26日、最大10億ドルの証券発行を可能にするS-3フォームを米証券取引委員会(SEC)に提出した。

この登録により、同社は市場状況に応じて普通株式、優先株式、債券、ワラント、ユニットなどの組み合わせで段階的に資金調達できる体制を整える。

調達資金は運転資金や一般的な事業目的に使用される予定。

その一部は最近改訂された購入方針に基づき、ビットコイン(BTC)や他のデジタル資産の購入に充当される可能性がある。

財務体制強化とデジタル資産戦略への転換

今回のシェルフ登録申請は、バックトが抱える財務的課題に対する戦略的対応の一環と見られる。

同社は継続的な営業損失を計上しており、事業継続能力について重大な疑義が存在することを開示している。

最近の四半期では2700万ドルの営業損失を記録した。

シェルフ登録制度は、事前に証券発行枠を設定しておくことで、市場環境が良好なタイミングを見計らって機動的に資金調達を実行できる仕組み。

この制度により、バックトは複数回にわたる個別申請手続きを省略し、迅速な資本調達が可能になる。

同社のアクシャイ・ナヘタ共同最高経営責任者(CEO)は、この取り組みを純粋な暗号資産(仮想通貨)インフラ企業への進化を目指す一歩として位置づけている。

バックトは当初、ビットコイン先物取引から事業を開始し、その後消費者向けアプリケーションの開発に転換していた。

現在は機関投資家向けの取引プラットフォーム構築に軸足を移している。

機関投資家の仮想通貨採用拡大に連動

バックトの新しい仮想通貨の購入計画は、上場企業による暗号資産の財務戦略への組み込みという大きな潮流に沿ったもの。

メタプラネットのように、ビットコイン購入を発表後に株価が7963%上昇した企業もある。

一方、ブロックチェーン分析企業ルックオンチェーンによると、ビットコイン購入を発表した上場企業20社のうち、8社が株価上昇を経験したが、12社は下落している。

現在のビットコイン価格約10万6800ドルで計算すると、10億ドルの購入により約9364ビットコインの取得が可能。

これによりバックトは公開企業として大手仮想通貨取引所コインベースを上回るビットコイン保有量を持つことになる。

同社は具体的な購入時期や規模については明示していないが、市場環境、資本市場の受容性、事業パフォーマンスに依存すると説明している。

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赤松 柊弥

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。

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