資産運用会社ビットワイズは、機関投資家の採用拡大を背景に、ビットコインの今後10年間の年平均成長率が28%に達すると予測。
資産運用会社ビットワイズのマット・ホーガン最高投資責任者は19日、ビットコイン(BTC)が今後10年間で年率28.3%の複利成長を遂げると予測した。
この成長が実現した場合、ビットコインの価格は現在の約11万3000ドルから2035年までに約140万ドルに達する計算になる。
機関投資家の注目度が急上昇
同社によると、2017年から2024年まで機関投資家からビットコインの長期予測に関する問い合わせはゼロだったが、2025年1月だけで12件の問い合わせがあった。
これらの要請は数千億から数兆ドル規模の資産を管理する大手金融プラットフォームからのものであり、機関投資家がおすすめ暗号資産(仮想通貨)をポートフォリオの中核資産として検討し始めている。
ホーガン氏は「専門投資家の多くは、ビットコインを特異で機会主義的な投資と考えていた」と述べた。
その上で、現在は「ポートフォリオの周辺部分への一回限りの投資ではなく、中核部分への組み入れが検討され始めている」と分析した。
2024年1月に現物ビットコインETFが承認されたことで、機関投資家は規制された環境下でビットコインにアクセスしやすくなった。
ETF関連のオンチェーン保有量はビットコイン総供給量の約7%に達し、資産規模は1460億ドルを超えている。
複数要因が長期成長を後押し
ビットワイズの強気見通しを支える要因として、ETF以外にも企業による財務資産としての保有増加がある。
上位100社のビットコイン保有企業は合計で約98万3816BTC、価値にして約1130億ドルを保有している。
規制面では、7月にトランプ大統領がステーブルコインを対象とした「GENIUS法」に署名し、仮想通貨に関する初の主要法案となった。
さらにSECのポール・アトキンス委員長がプロジェクト・クリプトと呼ばれる規制緩和キャンペーンを発表するなど、規制環境の改善も追い風となっている。
28%成長の現実性と市場への影響
年率28.3%の成長が実現すれば、ビットコインの時価総額は約28兆ドルとなり、現在の米国債市場全体を上回り、金の時価総額の2倍以上の規模となる。
ビットワイズは、ボラティリティは高水準で推移するものの、市場の深化と流動性の改善により徐々に低下すると予想している。
ホーガン氏は、この予測が規制の明確化継続、技術的な重大な障害の回避、機関投資家による継続的な購入など、多くの前提に基づくことを認めている。
仮に予測が半分程度でも実現すれば、2035年時点で40万ドルという価格水準となり、これまでの最も大胆な予測に匹敵する水準となる。
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