米コインベースが資産上場プロセスの透明性向上を目指し、審査基準やプロセスを詳述したガイドを公開。CEOは有料上場の噂を否定。
米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは10日、資産上場プロセスの透明性向上を目的としたデジタル資産上場プロセス・ガイドを公開した。
同社のブライアン・アームストロングCEOは上場申請が無料であり、全ての資産が同じ基準で評価されることを強調し、数百万ドルの上場料を請求しているとの業界内の疑念に反論した。
ガイドでは審査期間が資産の複雑性によって数時間から数ヶ月まで大きく変動することも明らかにした。
We get a ton of questions about how and why assets get listed on Coinbase. To be more transparent we wrote a guide on how it all works.
TL;DR: listings are free and merit-based. Every asset is evaluated against the same standards.
Link in replies. pic.twitter.com/HmqQDt6085
— Brian Armstrong (@brian_armstrong) September 12, 2025
5段階の包括的審査プロセス
上場プロセスは5つの主要段階で構成される。
まず申請者はホワイトペーパー、トークノミクス、チーム経歴、ソースコードなどの詳細情報を含むオンライン質問書への回答が求められる。
予備評価段階では、市場需要、コミュニティの支持、技術統合要件などのビジネス要因が評価される。
その後、法務、コンプライアンス、技術セキュリティの3分野による包括的審査が実施される。
法務審査では米国規制への準拠状況を確認し、コンプライアンス審査では内部方針との整合性を検証する。
技術セキュリティ審査では、アルトコインがセキュリティ基準とインフラ要件を満たしているかを確認する。
審査優先順位は取引量、時価総額、トークン保有者数、予想流動性などの定量的要因に加え、SNSでの評判や主要貢献者の経歴なども考慮される。
現在コインベースはBase、イーサリアム(ETH)のERC-20トークンなど、大きな統合費用を要しないトークンタイプを複数サポートしている。
段階的上場とリスク管理
承認された資産は段階的な市場導入プロセスを経る。
最初は預け入れのみの期間を設け流動性を構築し、その後最低10分間の指値注文収集により適正な開始価格を決定する。
オークション終了後は取引が一致した場合は約定価格で、一致しなかった場合は気配値での取引状態に移行する。
この段階的アプローチにより市場の整合性を保護し、新規資産導入時のリスクを最小化している。
コインベースは今後上場承認予定の資産として、イーサリアムブロックチェーン上のQCAD、Baseネットワーク上のBankrCoinとResearchCoinを例として挙げた。
ただし公式発表前の資産送金や取引はサポートされておらず、公式発表前にコインベースアカウントに入金すると資金が永久に失われる可能性があると警告している。
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