イーロン・マスク氏は新党「アメリカ党」の設立を発表。法定通貨を批判し、分散型の代替手段としてビットコイン(BTC)を経済政策の柱に据える方針を明らかにした。
イーロン・マスク氏は7日、新党「アメリカ党」の設立を発表し、その経済政策の基盤としてビットコイン(BTC)を明確に支持する方針を明らかにした。
この動きは、マスク氏が米国の既存の二大政党制に抱く不満から生まれたものだ。同氏は、民主党と共和党の政策が似通ってきていると見ており、新たな選択肢の提示を目指す。
Fiat is hopeless, so yes
— Elon Musk (@elonmusk) July 7, 2025
法定通貨への不信とビットコイン支持の背景
マスク氏は法定通貨を「絶望的」と批判し、分散型の代替手段としてビットコインを強く支持している。これは個人の金融的自律性を取り戻し、中央集権化に対抗するための手段と位置付けられている。
この姿勢は、同氏が長年抱いてきた中央集権的な金融システムへの懐疑的な見方を反映したものである。同氏が率いるテスラ社は、現在11,509 BTC(約1,814億円)を保有しており、企業としての関与も深い。
マスク氏の仮想通貨への関与は今回が初めてではない。テスラ社は過去にビットコインでの決済を導入したが、環境への懸念から一時停止した経緯がある。しかし、その後も火星での取引にライトニングネットワークの利用を提案するなど、関心は持ち続けていた。イーロン・マスク氏と仮想通貨の関係性は、これまでも市場の注目を集めてきた。
アメリカ党の具体的な政策と政治戦略
アメリカ党は当面、大統領候補を擁立せず、上下両院の選挙に焦点を当てる計画だ。主な政策として、人工知能(AI)による軍事の近代化、デジタル通貨を統合する金融改革、言論の自由の保護などを掲げている。
同党はまだ連邦選挙委員会に正式登録されていないが、マスク氏は自身のSNS「X」でビットコイン支持の方針を認めた。この新党設立は、マスク氏が米国の財政政策、特に国家債務を悪化させると主張する最近の法案に公然と反対してきた中で行われた。
一部のアナリストは、ビットコイン支持が技術分野やリバタリアン層からの支持を集め、政治的な影響力を持つ可能性があると指摘する。
今回の発表は大きな議論を呼び、ビットコイン支持者は政治の主流化を歓迎する一方、仮想通貨中心の政策の実現可能性を疑問視する声も上がっている。
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