イーサリアム開発者は次期アップグレード「Fusaka」のタイムラインを確定。9月下旬のテストを経て、11月初旬のメインネット起動を目指す。
イーサリアムのコア開発者らは21日、次期大型アップグレード「Fusaka」を2025年11月初旬にメインネットで実施するタイムラインで合意した。
このアップグレードは、先に行われたPectraに続くもので、ネットワークのスケーラビリティ、効率性、そして耐性の向上を目的としている。開発者らは、実用性と技術革新のバランスを取りながら、計画を進める構えだ。
11の改善提案を統合し、11月ローンチへ
Fusakaアップグレードの展開は段階的に行われる。まず、重要な更新を含む開発者向けテストネット「Devnet-3」が7月23日に立ち上がる予定だ。
その後、9月下旬にはSepoliaなどの公開テストネットでの展開が開始され、最終的なストレステストが実施される。
メインネットでの有効化は、11月17日からブエノスアイレスで開催される開発者会議「Devconnect」に合わせ、11月初旬が目標とされている。
今回のアップグレードでは、合計11のEIP(イーサリアム改善提案)が統合される。特にEIP-7825は、攻撃耐性の強化とスケーラビリティの基礎向上に貢献する重要な要素だ。
一方で、展開の効率化を図るため、EIP-7907のような一部の高度な機能は次回のアップグレードに延期された。
開発スケジュールと技術的判断
開発スケジュールは、今回の意思決定に大きな影響を与えた。開発者は、後続のアップグレード「Glamsterdam」への遅延を避けるため、Devconnect前のローンチを優先した。
このアップグレードは、イーサリアムの基盤技術であるブロックチェーン全体の進化にも寄与することが期待されている。
イーサリアムの貢献者であるNixo氏は、クライアントのリリースを約1ヶ月半以内に確定させる必要があると指摘し、スケジュールの厳しさを強調している。このタイトな日程が、一部機能の延期という判断につながった。
また、スループット向上を目指し、ガスリミットを1億5,000万に引き上げる提案も議論されている。しかし、この変更はネットワークの不安定化を招くリスクがあり、導入には厳格なテストが不可欠だ。
Fusakaは、ストレージを最適化する「ヒストリー有効期限」機能も導入する。ステーキングのセキュリティを向上させるバリデータのカストディソリューションも、Devnet-2で先行して導入される。
タイトなスケジュールの中、計画通りに実行できるかが今後の焦点となる。
next