イーサリアムが年初来で30%近く上昇し、ビットコインの優位性に挑戦。機関投資家の資金流入でイーサリアムの今後の動向が注目。
イーサリアム(ETH)はこのほど、年初来で約30%上昇し、ビットコイン(BTC)の市場支配力に挑戦する展開となっている。
2025年8月中旬時点で4300ドル台での取引が続き、2021年11月に記録した過去最高値の4878ドルの近くまで上昇した。
機関投資家の資金流入が加速しており、現物イーサリアムETFへの資金流入が130億ドルを超えている。
現物ETFと企業投資の急増が価格を押し上げ
この1ヵ月間でイーサリアムは45%から54%の上昇を記録し、同期間に約10%の上昇に留まったビットコインを大幅に上回っている。
7月23日にイーサリアムETFの取引が開始されて以来、記録的な資金流入が続いている。
7月18日に成立したステーブルコイン規制法案、GENIUS法が市場の転換点となった。
この法案により、テザー(USDT)やUSDCといった主要ステーブルコインの多くがイーサリアム上で発行される環境が整備され、実用性の向上が期待されている。
シャープリンクやビットマインなどの企業も大口購入を実施している。
シャープリンクは8月10日から15日にかけて、平均4648ドルで14万3593ETHを6億100万ドルで購入した。
オンチェーン活動の活発化と供給制約
オンチェーンデータによると、大口保有者が取引所からイーサリアムを移動させる動きが増加している。
取引所に残るイーサリアムの割合は約12%まで減少し、2021年以来の低水準となった。
この供給制約が価格上昇の要因の一つとなっている。
イーサリアムネットワーク上のTotal Value Locked(TVL)も急激に上昇しており、DeFiやNFT活動の活発化を示している。
一方で、レイヤー2ソリューションや競合ブロックチェーンの成長により、イーサリアムの競争上の優位性について疑問視する声も出ている。
ビットコイン政策研究所のザック・シャピロ氏は、現在の上昇が部分的に投機的である可能性を指摘し、長期的に見守る必要があると慎重な見方を示した。
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