イーサリアム、新ロードマップ発表|AI統合と量子耐性目指す

On 9月 18, 2025 at 11:57 am UTC by · 1 min read

イーサリアム共同創設者が日本で新ロードマップを公開。短期的なスケーリング、中長期的なL2統合、量子耐性、AI経済圏の構築。

イーサリアムのヴィタリック・ブテリン共同創設者は17日、大阪で開催されたEDCON 2025で新たなイーサリアムロードマップを公開した。

短期、中期、長期の3段階で構成されるこの計画は、暗号資産(仮想通貨)の基盤技術として成長を続けるイーサリアム(ETH)の将来像を具体的に描いている。

特に注目されるのは、プライバシー保護の強化と量子耐性の実現を長期目標に据えた点だ。

この発表は、ブロックチェーン技術の次世代への進化を示す重要な指針となる。

L1スケーリングとプライバシー保護の実装

短期目標として、レイヤー1レベルでのスケーリング実現が掲げられた。

分散性を維持しながらガスリミットを引き上げることで、ネットワーク全体の処理能力向上を目指す。

具体的な技術として、ブロックレベルアクセスリスト、ZK-EVM、ガス再価格設定、スロット最適化が挙げられている。

これらの改善により、高需要時でもより多くの取引を効率的に処理できるようになる。

プライバシー保護に関しては、オンチェーンでの書き込み(取引、投票、DeFi操作)と読み取り(ブロックチェーン状態の取得)の両面での保護策を提示した。

レイヤー2統合と量子耐性への取り組み

中期的には、現在断片化しているレイヤー2エコシステムの統合に焦点を当てる。

ブテリン氏は、信頼性の高いL2間資産移動、証明集約、高速決済メカニズムを、シームレスなロールアップエコシステム実現に向けた重要な節目として位置付けた。

イレイジャーコーディングと3段階ファイナライゼーション(3SF)などの技術により、高速スロットと強固なファイナリティを支援し、応答性とセキュリティの向上を図る。

Stage 2ロールアップの進歩による検証効率の強化も計画されている。

長期ビジョンとしてリーンイーサリアム構想を提示し、セキュリティ、シンプル性、最適化を重視した設計を目指す。

量子耐性暗号、プロトコルの形式的検証、ハッシュ、署名、ゼロ知識証明のための理想的なプリミティブの採用が含まれる。

ブテリン氏は、これらの改善がスケーラビリティだけでなく、分散型エコシステム全体の安定した信頼できる基盤としてイーサリアムを確立するためのものであることを強調した。

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