イーサリアム共同創設者が日本で新ロードマップを公開。短期的なスケーリング、中長期的なL2統合、量子耐性、AI経済圏の構築。
イーサリアムのヴィタリック・ブテリン共同創設者は17日、大阪で開催されたEDCON 2025で新たなイーサリアムロードマップを公開した。
短期、中期、長期の3段階で構成されるこの計画は、暗号資産(仮想通貨)の基盤技術として成長を続けるイーサリアム(ETH)の将来像を具体的に描いている。
特に注目されるのは、プライバシー保護の強化と量子耐性の実現を長期目標に据えた点だ。
この発表は、ブロックチェーン技術の次世代への進化を示す重要な指針となる。
以太坊创始人 Vitalik ,今天在日本开发者大会,发表了以太坊当前及未来的路线目标。
短期实现:扩容,提高以太坊 L1 的 Gas 限额。
中期目标:跨 L2 互操作性,与更快相应速度。
长期愿景:安全、简洁、抗量子、经过形式化验证的精简版以太坊。
以下是现场全程梳理 ⬇️ pic.twitter.com/iiEA8tE7VK
— AB Kuai.Dong (@_FORAB) September 17, 2025
L1スケーリングとプライバシー保護の実装
短期目標として、レイヤー1レベルでのスケーリング実現が掲げられた。
分散性を維持しながらガスリミットを引き上げることで、ネットワーク全体の処理能力向上を目指す。
具体的な技術として、ブロックレベルアクセスリスト、ZK-EVM、ガス再価格設定、スロット最適化が挙げられている。
これらの改善により、高需要時でもより多くの取引を効率的に処理できるようになる。
プライバシー保護に関しては、オンチェーンでの書き込み(取引、投票、DeFi操作)と読み取り(ブロックチェーン状態の取得)の両面での保護策を提示した。
レイヤー2統合と量子耐性への取り組み
中期的には、現在断片化しているレイヤー2エコシステムの統合に焦点を当てる。
ブテリン氏は、信頼性の高いL2間資産移動、証明集約、高速決済メカニズムを、シームレスなロールアップエコシステム実現に向けた重要な節目として位置付けた。
イレイジャーコーディングと3段階ファイナライゼーション(3SF)などの技術により、高速スロットと強固なファイナリティを支援し、応答性とセキュリティの向上を図る。
Stage 2ロールアップの進歩による検証効率の強化も計画されている。
長期ビジョンとしてリーンイーサリアム構想を提示し、セキュリティ、シンプル性、最適化を重視した設計を目指す。
量子耐性暗号、プロトコルの形式的検証、ハッシュ、署名、ゼロ知識証明のための理想的なプリミティブの採用が含まれる。
ブテリン氏は、これらの改善がスケーラビリティだけでなく、分散型エコシステム全体の安定した信頼できる基盤としてイーサリアムを確立するためのものであることを強調した。
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