イーサリアム、新ロードマップ発表|AI統合と量子耐性目指す

イーサリアム共同創設者が日本で新ロードマップを公開。短期的なスケーリング、中長期的なL2統合、量子耐性、AI経済圏の構築。

赤松 柊弥 By 赤松 柊弥 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
イーサリアム、新ロードマップ発表|AI統合と量子耐性目指す

Key Notes

  • イーサリアムは短期的にL1のスケーリング、中期的にはL2エコシステムの統合を目指す.
  • 量子コンピュータの脅威に対抗する「量子耐性」と、コードの安全性を数学的に証明する「形式的検証」を導入.
  • イーサリアムをAIエージェントの決済基盤とする「分散型AI経済圏」の構築を推進.

イーサリアムのヴィタリック・ブテリン共同創設者は17日、大阪で開催されたEDCON 2025で新たなイーサリアムロードマップを公開した。

短期、中期、長期の3段階で構成されるこの計画は、暗号資産(仮想通貨)の基盤技術として成長を続けるイーサリアム(ETH)の将来像を具体的に描いている。

特に注目されるのは、プライバシー保護の強化と量子耐性の実現を長期目標に据えた点だ。

この発表は、ブロックチェーン技術の次世代への進化を示す重要な指針となる。

L1スケーリングとプライバシー保護の実装

短期目標として、レイヤー1レベルでのスケーリング実現が掲げられた。

分散性を維持しながらガスリミットを引き上げることで、ネットワーク全体の処理能力向上を目指す。

具体的な技術として、ブロックレベルアクセスリスト、ZK-EVM、ガス再価格設定、スロット最適化が挙げられている。

これらの改善により、高需要時でもより多くの取引を効率的に処理できるようになる。

プライバシー保護に関しては、オンチェーンでの書き込み(取引、投票、DeFi操作)と読み取り(ブロックチェーン状態の取得)の両面での保護策を提示した。

レイヤー2統合と量子耐性への取り組み

中期的には、現在断片化しているレイヤー2エコシステムの統合に焦点を当てる。

ブテリン氏は、信頼性の高いL2間資産移動、証明集約、高速決済メカニズムを、シームレスなロールアップエコシステム実現に向けた重要な節目として位置付けた。

イレイジャーコーディングと3段階ファイナライゼーション(3SF)などの技術により、高速スロットと強固なファイナリティを支援し、応答性とセキュリティの向上を図る。

Stage 2ロールアップの進歩による検証効率の強化も計画されている。

長期ビジョンとしてリーンイーサリアム構想を提示し、セキュリティ、シンプル性、最適化を重視した設計を目指す。

量子耐性暗号、プロトコルの形式的検証、ハッシュ、署名、ゼロ知識証明のための理想的なプリミティブの採用が含まれる。

ブテリン氏は、これらの改善がスケーラビリティだけでなく、分散型エコシステム全体の安定した信頼できる基盤としてイーサリアムを確立するためのものであることを強調した。

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赤松 柊弥

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。

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