GMOフィナンシャルHDは、自社株購入額の0.03%相当のビットコインを付与する新株主優待を発表。グループシナジー強化を図る。
GMOフィナンシャルホールディングスは16日、2025年12月31日を基準日とする新たな株主優待制度の概要を明らかにした。
GMOクリック証券で同社株式を買い付けた際、買付代金の0.03%相当をビットコイン(BTC)で還元する仕組みで、上限は1万円に設定されている。
特典を受け取るには、グループの暗号資産(仮想通貨)取引所GMOコインの口座開設が必須となる。
従来のFX・投信・CFDコースなどの取引特典は2025年6月末基準で終了し、BTCによる還元へと移行する。
グループシナジーを狙った新制度
今回の変更には、GMOクリック証券が2025年9月から株式取引手数料を完全無料化したことが背景にある。
従来の手数料キャッシュバック型の優待が意味をなさなくなったため、新たな還元方法としてBTC付与を採用した形だ。
対象となるのは1単元(100株)以上を6ヶ月以上継続保有する株主。
継続保有の判定は、2025年6月30日の株主名簿と、同日から12月31日までの間に1回以上株主名簿に記録されていることで確認される。
BTCの付与額は買付代金×0.03%(小数点以下切り上げ)で算出され、上限は1万円相当。
例えば100万円分の株式を購入した場合、300円相当のBTCが付与される計算となる。
GMOコイン口座が必須条件に
BTC受け取りにはGMOコインの仮想通貨取引所口座が必要となる。
贈呈するBTCの数量は株主優待申請期間終了後に確定し、2026年5月中旬頃にGMOコイン口座へ付与される予定だ。
この仕組みにより、株主はGMOクリック証券で株式を購入し、GMOコインでBTCを受け取るという流れが生まれる。
金融サービスと仮想通貨投資を両輪とするGMOグループにとって、サービス間の相互送客を促進する狙いがある。
なお、GMOインターネットグループではすでに同様のBTC還元制度を導入済み。
GMOフィナンシャルHDのほか、GMOグローバルサイン・ホールディングス、GMOペパボ、GMOメディアなど複数のグループ企業が統一的な仕組みを採用している。
日経新聞によると、同社は株主に対してグループの金融サービスへの理解を促すとともに、個人投資家の裾野拡大を図る考えだ。
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