2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。
Key Notes
- 中国のEコマース大手JD.comが、香港の新制度に先立ちステーブルコイン関連会社を2社登録.
- JcoinとJoycoinは香港ドルに1:1でペッグされる予定.
- 香港金融管理局のサンドボックスに参加しており、早期のライセンス取得を目指している.
中国のEコマース大手京東集団（JD.com）は29日、香港でステーブルコインに関連するJcoinとJoycoinの商標を登録した。
同社の子会社であるJD Coinlink Technologyを通じて実施されたもの。
8月1日に施行される香港の新たなステーブルコイン規制を見越した戦略的な動きとなっている。
香港の新規制とポジショニング戦略
香港金融管理局（HKMA）が8月1日から実施する新たなステーブルコイン規制は、発行者に対してより厳格なコンプライアンス基準を求めるものとなっている。
JD Coinlinkのウェブサイトによると、同社が計画する京東ステーブルコインは香港ドルと1対1でペッグされ、パブリックブロックチェーン上で発行される予定である。
JD Coinlinkは2024年3月から香港金融管理局のステーブルコイン発行者サンドボックスプログラムの公式参加者として活動してきた。
香港では約50社がステーブルコインライセンスを申請しているとされるが、香港金融管理局エディー長官は限定的な数のライセンスのみが付与されるとの見解を示している。
多くの提案が具体的な詳細や実行可能な実装計画を欠いているためとしており、早期の商標登録は京東集団の準備の充実度を示すものといえる。
グローバル展開と市場機会
京東集団の動きは、中国本土での暗号資産（仮想通貨）規制の制約がある中で、香港を拠点とした国際展開を図る戦略の表れでもある。
中国人民元の国際決済シェアは2025年5月時点で2.89％にとどまっており、米ドルの48％に大きく水をあけられている状況である。
報道によると、京東集団やアント集団などの中国系大手企業は、中国人民銀行に対して香港での人民元建てステーブルコインの承認を求めているとされる。
中国本土では依然としてビットコイン（BTC）など暗号資産活動の大部分が禁止されており、香港などのオフショア拠点からの運営が必要となる見込みである。
JD Coinlinkは、アルトコインがまだ発行されていないことを強調し、詐欺に対する注意を呼びかけている。
今回の商標登録により、京東集団は香港の規制枠組みの下でのライセンス取得に向けた重要な準備を完了したことになり、アジア太平洋地域でのデジタル決済市場における競争優位性の確立を目指している。
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