マスク氏がビットコインの価値はエネルギーにあると発言。マイニングやDOGEイニシアチブにも触れ、仮想通貨市場で再び注目を集める。
環境懸念からのスタンスの変化
今回の発言は、2021年に環境への懸念からテスラでのビットコイン決済を停止した際とは異なる姿勢を示している。マイニング業界では再生可能エネルギーの採用が進んでいるが、一部で化石燃料への依存も残る。 マスク氏の主張は、よりクリーンなエネルギー採用に向かう業界のトレンドと一致しているようだ。また、同氏は自身の政府効率化省（DOGE）イニシアチブについても言及し、活動が継続していることを認めた。 この名称から、イーロンマスク氏とドージコインの関係性が再び取り沙汰されている。 DOGEイニシアチブのウェブサイトでは約2140億ドルの節約を主張している。一部のアナリストはこの数字について、実際の削減額ではなく契約の最大値を計算している可能性があると指摘した。ビットコイン関連ニュース
中国人民銀行は29日、仮想通貨の禁止措置を改めて確認し、ステーブルコインへの規制を強化する方針を示した。公安部など12の政府機関との会議で、仮想通貨が法定通貨ではないことを再確認した。ステーブルコインはマネーロンダリングや不正資金移動に悪用されるリスクが高く、中国の厳格な資本規制にも抵触する可能性がある。国内では投機的な動きや個人による仮想通貨投資が水面下で続き、一部地域ではビットコインマイニングも復活している。政府は通貨主権の維持と不正資金防止を最優先としており、今後の法執行の動向に注目が集まっている。
テザー社は28日、ウルグアイでのビットコインマイニング事業を正式に停止した。国営電力会社UTEとの料金交渉が決裂し、38名中30名を解雇、全施設を閉鎖した。2023年5月に始動した約5億ドル規模のプロジェクトは、1億5000万ドルを投じたにもかかわらず2年余で終了となった。競争力のある長期電力契約を確保できず経済的継続が困難と判断。テザーはラテンアメリカでの再生可能エネルギー活用事業は継続する意向で、パラグアイやブラジルでのマイニングも検討している。
仮想通貨市場は1日、ビットコインとイーサリアムを中心に急落し、ビットコインは8万4000ドル割れ、イーサリアムは過去1カ月で28%下落した。24時間で1700億円以上のレバレッジポジションが清算され、30万人超が強制退場。恐怖・強欲指数は59から20へ低下し市場心理も悪化した。FRBの金利不透明感やドル高、重要サポート割れが下落を加速させている。一方、機関投資家やクジラは買い増しを進め、10月には164万ETHを追加した。アナリストは今回を調整と見ており、12月3日のイーサリアム「Fusaka」ハードフォークが回復材料になる可能性がある。
米上場企業ストラテジーのフォン・リーCEOは29日、保有する約64万9870BTCの売却について、「株価が修正純資産価値を下回り、かつ新規資金調達が困難になった場合」に限ると説明した。売却は通常業務ではなく極端な状況下でのバックアップと強調し、長期保有方針に変わりはないと投資家へ示した。同社は株価プレミアムを維持し、株式発行で資金を調達してビットコインを追加購入する独自モデルを採用している。一方、25年償還の優先株対応や市場変動による流動性リスクも抱えており、環境悪化時にはビットコイン売却の可能性も残る。
マスク氏は将来的に貨幣がなくなり、エネルギーが事実上の通貨になる可能性を示唆した。AIやロボットが生産サイクルを完結させることで、社会が金融システムから切り離されるかもしれないと語る。 市場では、SpaceXが最近約2億7000万ドル相当のビットコインを移動させたことが注目されている。発言当時、ビットコインは約8万6500ドルで取引されていた。 ビットコイン支持者はマスク氏の発言を歓迎する一方、批評家はマイニングに使われたエネルギーは備蓄できないと指摘している。仮想通貨の価値は依然として信頼と市場の需要に依存するという反論もある。