リップルはアフリカ市場で米ドル連動のステーブルコイン「RLUSD」を正式に提供開始。国際送金ソリューションを強化。
リップル社は4日、米ドル連動型ステーブルコインのリップルUSD(RLUSD)をアフリカ市場で提供開始した。
同社はアフリカの大手フィンテック企業であるChipper Cash、VALR、Yellow Cardとの戦略的提携を通じて、機関投資家や企業顧客向けにRLUSDを展開。
現在約7億ドルの時価総額を誇るRLUSDは、2024年末のローンチ以来着実な成長を遂げており、アフリカという成長市場への参入により更なる拡大が期待される。
機関投資家向け設計と実用的機能
RLUSDは機関投資家のニーズに特化して設計されており、国際送金、流動性管理、トークン化資産の決済、財務業務の効率化などに活用される。
ニューヨーク州金融サービス局の規制下にある信託会社によって発行され、米ドルおよび現金同等物による完全な裏付けを持つ。
リップルのジャック・マクドナルドステーブルコイン担当者は「世界的に顧客からの需要が高まっており、アフリカでの展開を開始できることを嬉しく思う」と述べた。
特にケニアでは、マーシーコー・ベンチャーズとの協力により、干ばつや降雨量に基づく気候リスク保険のパイロットプログラムにRLUSDが活用されている。
衛星データが干ばつ状況を感知すると自動的に保険金が支払われる革新的な仕組みだ。
アフリカ市場の戦略的重要性
イエローカードの調査によると、南アフリカでは2024年に暗号資産(仮想通貨)取引量の43%をステーブルコインが占めており、既に地域経済の重要な要素となっている。
住民は通貨の不安定さや資本規制に対処するため、アルトコインなどのデジタルドルを貯蓄や国際送金に利用している。
Chipper Cashのハム・セルンジョギCEOは、より迅速で安価、効率的な国際送金をアフリカに提供するため、今年初めにリップルとの提携を確立した。
RLUSDは、XRPレジャー上で0.01ドルという低コストでの取引が可能であり、既存の銀行送金システムに比べて大幅なコスト削減を実現する。
リップル(XRP)は規制に準拠した代替手段として、USDTやUSDCが支配的なアフリカのステーブルコイン市場でのシェア拡大を目指している。
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