サウジ大手銀行、チェーンリンクと提携|金融革新を加速

On 9月 18, 2025 at 11:48 am UTC by · 1 min read

サウジアラビアのサウジ・アワル銀行が、チェーンリンクと提携。CCIP技術を活用しオンチェーン金融の導入を加速させる。

サウジアラビアの主要金融機関サウジ・アワル銀行(SAB)は16日、分散型オラクルネットワーク大手のチェーンリンクとの技術協力協定締結を明らかにした。

総資産1000億ドルを超える同国最大級の銀行が、ブロックチェーン技術を活用したオンチェーン金融の導入を本格化させる。

SABはチェーンリンクのクロスチェーン相互運用性プロトコル(CCIP)と、チェーンリンク・ランタイム環境(CRE)を活用した次世代金融アプリケーションの開発を進める。

同行はX(旧Twitter)で「サウジアラビアにおける金融革新を推進するという我々のコミットメントにおいて、極めて重要な一歩だ」と表明している。

ブロックチェーン相互運用性で金融システム変革

今回の提携の核心となるのは、チェーンリンクが提供する2つの主要技術の導入だ。

CCIPは異なるブロックチェーンネットワーク間で資産やデータを安全に移転させる技術として、既に60のブロックチェーンで稼働し、累計43億4000万ドルを超える送金処理実績を持つ。

一方、CREは開発者向けのモジュラープラットフォームとして、複数のAPIとの連携を可能にし、次世代オンチェーンアプリケーション構築を支援する。

SABはこれらの技術を活用して、自動貸付システム、物理的資産のトークン化、国境を越えた決済システムの高速化といった革新的金融サービスの実証実験を開始する予定だ。

協力の初期段階では、実際の銀行環境でブロックチェーン技術の有効性を検証するパイロットプロジェクトが実施される。

国家戦略「ビジョン2030」と連動した金融近代化

この戦略的提携の背景には、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が推進する経済多様化計画ビジョン2030がある。

同計画は石油収入への依存を減らし、金融技術の近代化を通じて経済の多角化を目指している。

サウジアラビアは4月にも、暗号資産(仮想通貨)、ブロックチェーン、Web3分野に注力する約40の米国ベンチャーキャピタルファームに投資を行っており、年間約20億ドルを複数の資金調達ラウンドに投入。

こうした積極的投資姿勢が、今回のチェーンリンクとの提携を後押ししている。

これらの取り組みは、地域のWeb3エコシステム成長と中小企業支援を目的としており、サウジアラビアが中東地域におけるブロックチェーン金融のハブとしての地位確立を目指していることを示している。

この提携発表後、チェーンリンク(LINK)の価格は23.40ドル前後で安定推移しており、長期的な技術導入効果への期待が市場で評価されている。

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