ブルームバーグの報道によると、トランプ一族は仮想通貨事業で6億2000万ドルの利益を得た。資産の10%を仮想通貨が占める。
金融テクノロジー企業のブルームバーグは2日、トランプ一族が暗号資産(仮想通貨)関連事業により約6億2000万ドルの収益を得たと報じた。
同社のビリオネア指数によると、ドナルド・トランプ大統領の純資産64億ドルのうち、仮想通貨事業が約10%を占める規模に成長している。
これは、不動産業を基盤としてきたトランプ一族の事業構造に前例のない変化をもたらしている。
収益の大部分は、ワールド・リバティ・フィナンシャルのトークン販売による約3億9000万ドルと、公式トランプ・ミームコインによる約1億5000万ドルが占める。
政治的影響力を活用した急成長
WLFの成功を決定づけたのは、2024年11月のトロンのジャスティン・サン創設者による3000万ドル購入だった。
それまで270万ドルにとどまっていた販売額は、トランプ氏の大統領選勝利後に急激に拡大し、就任式当日の1月20日には単日で約3億ドルを調達する記録的な販売を実現した。
8万5000人以上の投資家が参加し、購入額の70%近くが10万ドル以上の大口購入だった。
1月に発行されたトランプコイン(TRUMP)は発行直後に時価総額90億ドルのピークに達し、現在も17億ドルの時価総額を維持している。
透明性への懸念と将来展望
非営利団体ステート・デモクラシー・ディフェンダーズ・アクションのバージニア・キャンター主席弁護士は「大統領が公職から利益を得ているように見える」と指摘している。
過去の大統領が資産を信託に移した慣例とは異なり、トランプ氏は新しい仮想通貨の事業を拡大している。
WLFは複数の企業体を通じた複雑な構造により、トランプ氏個人への法的責任を限定する仕組みを構築している。
また、3月にはドル連動型ステーブルコインUSD1の発行計画を策定し、アブダビ政府系ファンドMGXから20億ドルの出資を受ける合意を締結した。
一族はビットコイン(BTC)の採掘企業アメリカン・ビットコインの株式20%も保有しており、同社はグリフォン・デジタル・マイニングとの合併による株式公開を準備中だ。
この上場が成功すれば、トランプ一族の仮想通貨資産はさらに拡大する見込みとなっている。
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